ここ数ヵ月、食後に必ず咳をするようになりました。
むせるというよりも咳なんですよね。
もしかして嚥下障害?と不安になっていましたが、痛いわけでもないし、苦しいというほどでもない。
病院にいく症状とは思えずに、それでも気にはなっていました。
2017年12月4日に放送された「あさイチ」で「のどの老化」について特集していて、やっぱりかー!と思いましたが、これからトレーニングを始めて遅いということはないようです。
忘備録をかねて、のどの老化について、ゴックン筋について、誤嚥性肺炎を防ぐトレーニングについてを書いていきます。
そのほかに、「あさイチ」で紹介されたトレーニング以外の体操もご紹介します。
食事でむせる!飲みこめない!
40歳前後から衰え始めるといわれる のど。
あなたは最近こんなことが気になっていませんか?
- 食事のときにむせる
- 水のようにサラッとした飲み物が飲みこみづらい
- 風邪ではないのに咳き込む
もし、これらに当てはまるようでしたら、のどの老化が始まりつつあるのかもしれません。
自分では気づかないうちに始まるのどの老化。
このような症状が始まる前からのどの筋肉を鍛えておくと将来肺炎にかかる危険を少なくできますよ!
のどの老化
のどの内部には「食べ物が通る食道」と「空気が通る気管」があります。
しかし、意識して食べ物はコッチ、空気はアッチと仕分けしていませんよね。
のどの中には喉頭蓋(こうとうがい)という弁のようなフタがあり、食べたり飲んだりしていないときは肺へ空気を通しています。
そして、口から食べ物や飲み物が入り、ごっくんと飲みこむときにはフタがパタンと閉じて食べ物や飲み物を食道へ向かうように仕分けているのです。
これは嚥下反射といって私たちが意識しなくても勝手に起こってしまう動きなのです。
意識しなくても起こる反射なのですが、飲みこむという動作には筋力が必要なのだとか。
NHKの「あさイチ」に出演した神鋼記念病院 耳鼻咽喉科科長で「のどに違和感」をもつ患者さんを専門に診察する「嚥下トレーニング外来」の浦長瀬昌宏医師は、「飲みこむ動作は胎児のときに羊水を飲みこんで覚える。それ以来練習したことがない」といっています。
浦長瀬昌宏医師は本も出していますね。
飲みこむための筋肉が衰えるとフタを閉める反射が遅れ、食道に入るはずのものが気管に入ってしまいます。
そして、空気以外の異物が肺に入って起こる誤嚥性肺炎の原因になります。
最悪の場合、死亡の原因にもなってしまう誤嚥性肺炎。
誤嚥性肺炎を予防するためには、衰え始めたのどの筋肉を鍛えなければなりません。
しかし、今まで意識なんてしなかった筋肉が衰え始めていますといわれても、なにソレ?どこソレ?としか・・・
いったいどこの筋肉をトレーニングしたらよいのでしょうか?
誤嚥性肺炎で8万人が
肺炎は日本人全体の死因で第3位。
高齢者の死因でも第3位で、脳卒中などの脳血管疾患よりも多いのです。
肺炎の死亡数は1980年頃から増加傾向にありますが、これは高齢者の増加と比例しているのではないでしょうか。
肺炎のうち、誤嚥性肺炎で年間8万人が亡くなっています。
気付いたら防げる!
飲みこむ動作は胎児のときに羊水を飲みこんで覚えるそうです。
そして、それ以来練習したことがないので、どうに練習したらよいかわからないのだそう。
ということで、「こうやって飲みこんでいるんだ!?」と気付くことから始めなければなりません。
どの筋肉を使って、どうやって飲みこんでいるのに気付けて、意識して飲みこむトレーニングをすれば誤嚥性肺炎を防ぐことができます!
風邪をひきにくくなる
飲みこむトレーニングをしてのどの衰えを防ぐと、誤嚥性肺炎を予防するだけではなく風邪予防にもなります。
唾液にはのどの中をきれいにする物質が入っているので、唾液をしっかり飲みこむことでのどを衛生的に保ち、風邪をひきにくくなるのだそうです。
うがいは風邪予防になりますが、うがいでなくても、こまめに水分を摂ることで口の中の雑菌が少なくなって風邪予防になると聞いたことがあります。
ゴックン筋って?
では、どこの筋肉を鍛えればよいのでしょうか?
それは、咽頭挙上筋群というあごの辺りの筋肉です。
元プロ歌手でのどトレの達人 玉澤明人さんは、このあたりの筋肉をゴックン筋といっています。
玉澤明人さんは、日本フィジカルボイス協会の理事長をしている方で、武蔵野市のコミュニティーセンターで高齢者向けの発声プログラム「あえいおう体操」や「スマイルごっくん体操」を実施しています。
それだけでなく、あえいおう体操の認定講師養成講座も開講し、「あえいおう体操」や「スマイルごっくん体操」を指導する講師の養成にも取り組んでいるようです。
さて、ゴックン筋を鍛えていくわけですが、食べ物や飲み物をゴックンと飲みこむときに、のどぼとけが上下に動きますよね。
このときにのどぼとけを上げるための筋肉があるのですが、そこをトレーニングします。
トレーニングの前にのどぼとけがどこにあるのかを確認しておきましょう。
男性はのどぼとけが突出していることが多いのでわかりやすいですが、女性はわかりづらいかもしれません。
- のどの下のほう(鎖骨のあたり)から上に向かって指で触っていきます
- ボコっとしたでっぱりに触れて、すぐ上のくぼみを確認します
- くぼみを過ぎたあとにボコっとしたでっぱりに触れたら、それがのどぼとけです
- それを軽く触りながら、ゴックンと唾を飲みこんでみます
- ゴックンとしたときに触っていたでっぱりが上へ動いたら、間違いなくのどぼとけ!
これで、のどぼとけがどこにあるか、わかりましたね。
いざ、トレーニング!
のどぼとけがわかったのでトレーニングをしていきますが、高血圧の方はあまり無理をしないように気をつけて下さいね。
ゴックン筋のトレーニング
- 水を一口、口に含む
- のどぼとけを指で触れながらゴック・・・でストップ!
- のどぼとけが一番上がったところで力を入れ続ける
- まずは3秒(慣れてきたら5秒、10秒と伸ばしていく)
ちゃんとゴックン筋に力が入っていれば、息ができない状態のはずです。
気をつけなければいけないのは、息を止めているだけにならないようにすること。
これを1日に6回ほど、1ヵ月続ければ高齢の方でも飲みこむ力が改善するのだそうです。
これ、やってみると指一本で触っていてもゴックン筋に力が入っているか、息を止めているだけになっていないか意外とわかりませんでした。
で、親指と人差し指であごを触りながら水を飲みこむと、筋肉が固くなるのとのどぼとけが上がってくるのがよくわかりましたので、参考にしてみてくださいね。
ちょっと面白くてゴックンゴックンしていたら筋肉痛みたいになってきました。
やりすぎ注意です(笑)
もっと鍛えちゃう?
ゴックン体操以外にものどのトレーニング方法がありますので、いくつかご紹介します。
ゴック・・・で止めるトレーニングよりハードな感じがします。
ということは、ゴックン筋がわかりやすいということでもありますね。
ただし、高血圧の方、頸椎症の方などはお医者さんに確認してからトレーニングをするようにしてくださいね。
おでこ体操
ゴックン筋に力が入っているのを感じましょう。
- おへそをのぞきこむようにあごを引く
- 手のひらをおでこに当てる
- 手のひらとおでこを5秒間押し付け合う
- これを5回~10回無理のない範囲でおこなう
あご押し体操
ゴックン筋に力が入っているのを感じましょう。
- あごの下に両手の親指の腹を当てる
- あごを下げながら、親指であごを押し上げて5秒間力を入れる
- これを5回~10回無理のない範囲でおこなう
イー体操
ゴックン筋に力が入っているのを感じましょう。
- 口を横に大きく広げる
- 5秒間「イー」と声を出す
- これを5回~10回無理のない範囲でおこなう
首回し
※無理をせず、ゆったりと自然な呼吸でおこないましょう。
- 息を吐きながら、首をゆっくりと前に倒す
- 倒しきったら、息を吸いながら首で大きな円を描くイメージでゆっくり首を右へ回す
- 首が真後ろまで来たら、息を吐きながらゆっくり首を回して首を前に倒した状態まで戻す
- 同じように、左回しもする
ゆったりと首を伸ばすことで、のどの辺りの筋肉のストレッチになりますよ。
とにかく1ヵ月!
三日坊主になりそうな予感を跳ね飛ばし、とにかく1ヵ月続けたいですね。
やはり一番簡単で続きやすそうなのは「あさイチ」で紹介されたゴックン筋のトレーニングでしょう。
朝、起きたときに水やぬるま湯を飲むのがよいといわれていますから、そのときにゴック・・・とするのがよさそうです。
ゴック・・・を習慣に組み込んでしまえばコッチのもの!
誤嚥性肺炎と風邪を予防して、健康な日々を送りましょう。