テレ朝の「グッドモーニング」での「林先生のことば検定」が興味深かったので取り上げてみました。
漢委奴国王の金印
4月12日は、1784年に博多湾の志賀島(しかのしま)で漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)の金印が出土した日です。
国宝にも指定されているこの金印を歴史の授業で習ったのを覚えていますか?
1世紀ごろに後漢(中国)の皇帝から贈られたとされています。
ただし、この金印についてはまだまだなぞが多く、そもそもそんなに古い時代の物なのか?という声もあるそうです。
ところで現在は印鑑に付き物のものといえば「朱肉」ですよね。
そこで問題です
なぜ朱肉には「肉」」という字が使われているのでしょうか?
青 肉はやわらかい
赤 肉は赤い
緑 食べるなら、今でしょ!
今日の緑、「食べるなら、今でしょ!」は、「しゅにく」ではなく「しゅんにくう(旬に食う)」だそうです。
林先生の「今でしょ!」は『2013 ユーキャン新語・流行語大賞』のトップテンに入った言葉でしたね。
この年は他に「アベノミクス」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「PM2・5」「お・も・て・な・し」などがありました。
さて問題に戻りましょう。
朱肉とは印肉のこと
朱肉は正式には「印肉」と言います。
日本に伝わったのは7世紀ごろとされていて、奈良時代の文書には既に使われていました。
もっともその頃は印を押す人も限られていましたから、一般に普及したのはずっとあとのこと。
明治になってからと言われています。
そして、室町時代から印の色を使い分けるようになりました。
例えば、織田信長(1534-1582)は、正式な文書には朱印を、個人的な文書には黒印を押していたそうです。
当時の公文書を朱印状、使われている印を御朱印といいますが、これは黒印に対して言われた言葉です。
それに現在でも赤以外の印もありますよね。
ですから、肉の色は関係ありません。
正解は?
正解は、青 肉はやわらかい です。
肉は「柔らかく厚みのあるもの」ですよね。
例えば、果物は肉ではないのに「果肉」と言いますよね。
果肉も柔らかく厚みのある部分ということです。
別説
違う説もあるようですよ。
印鑑を使う前は血判と言って、自分の血で拇印を押していました。
判をたくさん押す方にとってはたまったものではありませんよね。
ということで、疑似血液として朱肉を使うようになったのです。
つまり、血判の時に自分の肉体を切っていたことから「肉」という字を当てるようになったという説。
現在の朱肉
現在使われている朱肉はスポンジ朱肉といって、スポンジに朱が染み込ませてあるものが一般的です。
練り朱肉とは
そのほかに練り朱肉というものもあります。
練り朱肉はスポンジ朱肉と違い、銀朱にひまし油、木蝋、松脂を溶かし入れヨモギの葉の裏毛や和紙を加えて練り固めたものだそうです。
以前、練り朱肉なのか印泥なのかわからないが、判を押させてもらったことがありますが、むにむにと印が埋もれていきそうなほど(大げさ)柔らかかったのを覚えています。