6月14日は作家である川端康成の誕生日です。
テレビ朝日「グッドモーニング」の「林先生のことば検定」コーナーでそのことが取り上げられました。
林先生は川端康成といえば「伊豆の踊子」で、その冒頭は数ある文学の中でも最もよい出来なのではないかと感じているそうです。
確かに、最初に読者が触れる文章が興味をそそられるものでなければ、そっと本を閉じてしまうでしょう。
「文」という字は、元々何を表している?
さて、今日の問題は
「文」という字は、元々何を表している?
というもの。
青 書斎
赤 入れ墨
緑 拗ねる
正解は・・・
今日の緑は「すねる」と読みます。
これ、「文(ぶん)」ではなく「プン」なのだそう・・・
作った若手スタッフが拗ねてしまわないようにノーコメントにしておきましょう。
正解は赤の「入れ墨」でした。
「文」の象形文字
文という字の象形文字を見てみると、「文」の上のフタのような部分と下のメの交叉部分で囲まれた中に「メ」と入っています。
さらにその象形文字は「文」自体が少し縦長になってフタの突起部が頭、フタ部分が腕、囲まれた部分が胴体でその下に足が伸びている・・・ように見えなくもないです。
林先生によると、この象形文字は死者を表しているそうです。
そして「文」の胴体部分、つまり囲まれた部分に入っている「メ」は「文身(入れ墨)」なのだとか。
なぜ死者に入れ墨を入れるのかというと、その体から魂が出ていかないように、また、悪霊に入り込まれないようにするためといわれています。
2種の入れ墨
死者に入れ墨を入れるという儀式は象形文字ができるころのことでしょう。
現在の日本では死者に入れ墨を入れることはなさそうですよね。
死者への入れ墨があることを知りましたが、それ以外の入れ墨の文化も非常に古くからあります。
アルプスで発見された5300年前のアイスマンやアイヌ民族の入れ墨、縄文時代の土偶の模様が入れ墨を模したものだと考えられることなどから、入れ墨には生存中に施すものと死者に施すものがあったと考えられますね。
「文」の元々の意味とその変化
「文」の意味は、
死者への入れ墨
↓
文様、模様
↓
死者への入れ墨(文様) + 弔いの言葉
↓
文字、文章、書き物
と変化していったのだそうです。
「文」の一文字にこんな深い意味があったとは!
死者へ施す入れ墨についてもう少し調べてみたいものです。
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