「ワンピース」猿之助が陥った開放骨折とは?代役尾上右近はルフィをこなせる?

歌舞伎(顔イラスト)

歌舞伎(顔イラスト)

10月9日、「スーパー歌舞伎II(セカンド) ワンピース」の公演中に主演の市川猿之助さんが左腕を骨折したという報道がありました。
「すっぽん」と呼ばれる花道に設置してある小型のセリ(昇降装置)を降りた市川猿之助さんですが、ひらひらとした袖の長い衣装が舞台装置に巻き込まれてしまって身動きが取れなくなっていたそうです。
10月6日からの公演ですが、代役の尾上右近さんはルフィ役をこなせるのでしょうか?
市川猿之助さんがなってしまった開放骨折とはどんな骨折なのかも調べてみました。

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ルフィとハンコックの早替り

今回、ルフィの代役には尾上右近さんが抜擢されましたが、なぜ選ばれたのでしょう?
もちろん、どんな役でも何かが起こってしまったときのために代役としての練習をしているはずですが、尾上右近さんの場合、10月8日、つまり、市川猿之助さんが骨折する前日に特別マチネ「麦わらの挑戦」でルフィとハンコック役で出演していたのです。
それならルフィとしての代役も間違いなくこなせるはずですね。
ルフィとハンコックの早替りは見てみたい!
ちなみに、その公演で市川猿之助さんはシャンクスを演じました。

ほかにも代役が・・・

ルフィとハンコックの代役以外にも代役をたてるようです。

  • ルフィ/ハンコック 尾上 右近
  • サディちゃん 坂東 新悟
  • マルコ 中村 隼人

という顔ぶれ。

骨

どこを骨折?

衣装を装置に巻き込まれての骨折ということですが、どこを骨折してしまったのでしょう?

最初の報道では「左腕」ということでした。
その後の報道で「左上腕部」「左前腕部」「左手指部」と判明しました。
つまり、左の肩から肘の間、肘から手首の間、指の少なくとも3ヵ所を骨折したようです。
どの部分が開放骨折なのか、全部が開放骨折なのかまではわかりませんが、完治までの期間は不明とされています。
安心したのは、市川猿之助さん本人はお元気そうだということ。
万が一、傷から菌が入り炎症が全身に広がってしまう可能性もあったので、たとえ炎症や化膿していても傷の部分だけだということでしょう。

開放骨折とは?

「複雑骨折」はよく耳にしますが、「開放骨折」ってなかなか聞きませんよね。
どんな骨折のことなのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、「骨が空気に触れている骨折」ということになるようです。
なぜわざわざ「開放」とつけているのかというと、骨折した部分やその周りの傷ついた部分が空気中や衣服などに付着してる雑菌に触れることによって、感染してしまう可能性が高くなるからです。
また、神経や血管、筋肉などの損傷がひどく、出血も多いために傷口がない骨折よりも処置が大変なのだそうです。
手術後も、感染や化膿してしまうと閉鎖骨折(開放でない骨折)より治りにくくなってしまいます。
それだけでなく、化膿が治っても関節の動きが悪いままになってしまうことも考えられます。
最悪の場合、骨折した部分を切断しなくてはならなくなることまであるようです。

市川猿之助さんの場合はそこまでひどいという報道はありませんので、少しホッとしていますが、これから感染しないことを願っています。

開放骨折してしまったら

もし、自分や周りの人が開放骨折をしてしまったら、どうすればよいのでしょう?

足の骨折など病院にいくのが大変そうなら速やかに救急車を呼びましょう。

下にたくさん書きましたが、とにかく「安静」「止血」「固定」をしましょう。

  • まず、骨折したところを動かさないように安静にします。
  • 傷からの出血を止めてから、骨折した部分を固定します。
  • 木の板など固いものを骨折部分の下に敷き、板ごと縛ります。
  • 例えば肘から手首までの間を骨折したら、肘から手首よりも長い板に腕を乗せて、骨折部と肘の間で一か所縛り、骨折部と手首の間で一か所縛ります。
  • 手袋や靴、靴下を脱いでおくとよいそうですが、一人の場合などは無理に脱ぐより安静にしていたほうがよいでしょう。
  • 骨折した部分が変な方向に曲がってしまっていると真っ直ぐになおしたくなりますが、骨折した部分には触らないようにして、曲がったまま固定します。
  • 骨が傷口から見えていても、骨をいじらないようにして固定します。
  • 全身を横たわらせるなど楽な姿勢をとり、安静にしましょう。
  • そのとき、出血している部分を心臓より上に上げておくと出血が少なくなります。

この状態で病院に行く、または、救急車を待ちましょう。

ひらひらの衣装

骨折の原因が「袖の長い衣装を昇降装置に巻き込まれたため」ということですが、機械を扱う職業ではよく起こる事故でもあります。
市川猿之助さんの場合は骨折でしたが、もっと大きな機械などでは最悪の場合、身体を巻き込まれて死亡してしまうこともあります。
機械が近くにある職種では「ひらひらした」服装や「裾を出している」格好は厳禁のはず。
歌舞伎は衣装が長くひらひらしていることが多いとはいえ、なにかしらの対策は必要なのではないでしょうか。
例えばすっぽん(小型の昇降装置)ではなく、もっと大きなセリから降りるなどして長い衣装でも機械に近づかなくてよいようにすることもできるかもしれません。
まぁ、演出としては花道から消えるほうが観客をわかせることはできるのでしょうけれど。

追記
装置に巻き込まれた際に市川猿之助さんが着ていたハンコックの衣装は、以前のものよりも長くして派手さを出していたそうです。
衣装も大事ですが・・・

痛ましい事故でしたが、事故の起こらない演技・演出・衣装を考える機会となったのではないでしょうか。
歌舞伎を観たことがない若年層にも観にきてもらえることを期待した人気漫画「ONE PIECE」の歌舞伎ですが、個人的にはかなり興味ありますから「事故があったからもう公演しない」なんてことでは悲しいです。
無事に11月25日の千穐楽を迎えて、これからも続けて欲しいですね。
そして、市川猿之助さんにはしっかり治療をして元気な姿で歌舞伎に復活してほしいと思います。

参考サイト

歌舞伎美人(かぶきびと)

日本赤十字社

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