「わたしを離さないで」原作作家カズオ・イシグロがノーベル文学賞受賞!

ノーベル賞

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2017年のノーベル文学賞はカズオ・イシグロさんに決定しました。
カズオ・イシグロさんは、長崎県出身の日系イギリス人作家です。
授賞理由は「彼の小説は、偉大な感情の力をもって、我々の世界とのつながりの感覚が、不確かなものでしかないという、底知れない奈落を明らかにした」などだそうです。
綾瀬はるかさん主演でテレビドラマ化された「わたしを離さないで」の原作を書いた作家さんなのです。
綾瀬はるかさんはドラマ化の際に、カズオ・イシグロさんと4時間にも渡る対談をしたそうです。
カズオ・イシグロさんとはどんな方で、どんな本を書いているのでしょうか?

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カズオ・イシグロさん

漢字表記すると「石黒 一雄」さん。
1954年11月8日生まれの62歳です。
現在、ロンドン在住だそうです。
大英帝国勲章(オフィサー)を受章、さらにフランス芸術文化勲章を受章しています。
「タイムズ」の、「1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家」の一人に選ばれているほどで、イギリスの文学界ではかなり有名な人らしいですね。

国籍は?

英国国籍です。
長崎県長崎市で生まれますが、5歳の時に海洋学者である父親が北海で油田調査をすることになったためにサリー州ギルドフォードに移住しています。
両親は日本人で、カズオ・イシグロさんも成人するまで日本国籍でしたが、日本の法律では二重国籍が許されていないために日本国籍を放棄し、英国に帰化しています。

日本語を話せる?

5歳でイギリスに渡ったため、日本語はほとんど話せないそうです。
NHKの「白熱文学教室」でも英語で講義していました。
両親が日本人なので、家族間では日本語を話していればバイリンガルになれたのでは?と思いますが、そうもいかない事情があったのかもしれません。

奥さんは?

32歳頃にイギリス人のローナ・アン・マクドゥーガルさんと結婚しています。
お子さんがいるかどうかは、わかりませんでした。

どんな本を書くの?

処女作、2作目は日本人を、3作目はイギリス人を描いています。
4作目からはSFやファンタジーなどと毎回新しいジャンルに挑戦しているようです。
処女作は王立文学協会賞を受賞、2作目はウィットブレッド賞を受賞、3作目はブッカー賞を受賞し、アンソニー・ホプキンスさんが主演での映画化をされています。

著書

「女たちの遠い夏」
1982年、処女作。
英国に在住する長崎女性の回想を描く。
日本語版はのちに「遠い山なみの光」と改題されています。
王立文学協会賞を受賞。
9か国語に翻訳されています。

「浮世の画家」
1986年、2作目。
戦前の思想を持ち続けた日本人を描く。
ウィットブレッド賞を受賞。

「日の名残り」
1989年、3作目。
英国貴族邸の執事を語り手として描く。
ブッカー賞を受賞。
1993年に、ジェームズ・アイヴォリー監督、アンソニー・ホプキンス主演で映画化されました。

「充たされざる者」
1995年、4作目。
世界的ピアニストが、とあるヨーロッパの町で演奏会を開こうとする話。
「実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の問題作。」とのこと。

「わたしたちが孤児だったころ」
2000年、5作目。
謎の失踪で孤児となった探偵が両親をさがす話で、戦前の上海租界を描く。
発売と同時にベストセラーとなりました。

「わたしを離さないで」
2005年、6作目。
奇妙な施設で育てられたキャシーの回想記。
SFというかミステリーというか。
ブッカー賞の最終候補に選ばれています。
後に映画化されました。
2014年に蜷川幸雄演出、多部未華子主演で舞台化されています。
2016年1月から綾瀬はるか主演でテレビドラマ化(TBS)されました。

「忘れられた巨人」
2015年、7作目で最新作。
アーサー王が亡くなってしばらく経った頃のイングランドで、ブリトン人の老夫婦が旅をする話。
ファンタジーのようです。
英国、米国で同時出版されました。

7冊もの長編はなかなかすぐには読めないので、「わたしを離さないで」から読んでみようと思います。
「忘れられた巨人」と「日の名残り」も興味深いですね。

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