「肩こりがどうしてもよくならない・・・」
「でも病院にいくヒマがないし・・・」
そんな方には気が付いたときにできる簡単なストレッチがおすすめです。
肩がこったとき、気分転換したくなったときなどにゆっくり体をほぐしましょう。
効く!解消方法
肩こりは、
動かさないから血流が滞る
↓
血流の流れが悪いと冷える
↓
冷えると筋肉が固くなる
↓
固くなると動かしにくくなる
↓
動かしにくいと動かさない
↓
動かさないと血流が滞る・・・
というように悪循環になってしまいがちです。
少しでも体を動かして肩こりをやわらげるために、1分間でできる体操を2つご紹介します。
両方やっても2分間です。
1分でできるストレッチ
首には僧帽筋や肩甲挙筋の他に斜角筋や胸鎖乳突筋などがあります。
そのあたりの筋肉をストレッチすると血行がよくなり、肩こりが解消されやすくなります。
手で頭をぎゅうぎゅう押し下げるストレッチをやりたくなりますが、首は曲げられる角度に限度があるのだそう。
下の1分体操なら、手を使って強制的に首を伸ばすよりも、気持ちよくて安全です。
1分体操・その1
- 両手を背中で組み、そのままお尻に沿わすように下げる(なで肩になる)
- そのまま、肩が上がらないように注意しながら、首を5秒かけて右に倒して20秒数えてから、5秒かけて正面に戻す
- 背中で組んだ手をもう一度お尻に沿わすようにしっかり下げる
- 今度は首を5秒かけて左に倒して20秒数えてから、5秒かけて正面に戻す
1分体操・その2
- 体の前で手を組む(てのひらが自分に向くように)
- 両手をゆっくりぐーっと前に伸ばして30秒数える(肩甲骨が開くのを感じましょう)
- ゆっくり手を戻す
- 今度は、両手を背中で組む(てのひらが自分に向くように)
- 両手をゆっくりぐーっと後ろに伸ばして30秒数える(肩甲骨が寄るのを感じましょう)
- ゆっくり手を戻す
どちらの体操も立っていても、座っていてもできるので、ちょっとした空き時間にリフレッシュしましょう。
時間があるときの体操
※ゆったりと自然な呼吸をしてください(息を止めないようにご注意!)
- 息を吐きながら、首をゆっくりと前に倒します
- 倒しきったら、息を吸いながら首を伸ばすようなイメージでゆっくり首を右へ回します
- 首が真後ろまで来たら、息を吐きながらゆっくり首を回して首を前に倒した状態まで戻します
- 同じように、左回しもします
コツは、
- 息を止めない
- 倒した反対側の首を伸ばすようなイメージで
- 痛かったら無理せず、その場で少し止まる
- これでもかというくらいゆっくりと
なぜ肩がこるの?
四足歩行から立ち上がって二足歩行になったといわれる種族、ヒト。
私たちは体重の10%ほどの重さの頭を首と肩で支えています。
それに加え、手を使って作業をしますが、その腕を上げたり下げたりするときには肩のあたりの筋肉を使っています。
つまり首から肩、背中にかけてまで常に負荷がかかっている状態なのです。
日中、ずっと重たい頭と腕を支えている首や肩は疲れます。
疲れると乳酸という疲労物質が筋肉のなかにたまってきますが、この乳酸がたまると筋肉が固くなってしまうのです。
筋肉が固くなると、そこに通っている血管が圧迫されてしまい、圧迫されると血液が流れにくくなってしまいます。
血流が悪いと痛みを感じさせる物質が生成され、脳が「肩が痛い」という信号を受け取り、肩こりとして自覚するのです。
慢性的な肩こりは、脳が「肩が痛い、肩がこった」という信号を受けることで不快感がストレスとなり、さらに筋肉に疲労がたまって悪循環に陥ることで始まります。
なんだか難しいメカニズムですね。
一言でいえば、「血流が悪くなると肩がこる」ってことになります。
肩こりとは
自覚としての肩こりは、首から肩甲挙筋や僧帽筋のあたりにかけて感じる、こり、こわばり、痛み、不快な感じ、違和感、だるさ、重い感じ、などのことをいいます。
客観的にいうと、肩こりとは肩の筋肉が緊張して固くなっている状態、のことです。
首や肩甲骨あたりも肩こり?
日本人が「肩がこって・・・」と会話の中で使うとき、「肩を中心とした、首から背中にかけてのどこかにコリや痛みや張り感、こわばりなどがある」と解釈します。
しかし、日本以外では「肩こり」という言葉はほとんど使われないようです。
例えば英語だと、
「I have a stiff upper back(背中の上の方がこってるんだよね)」
「I have a stiff neck(首のこりを感じます)」
などというような表現になるそうです。
ちなみに、「stiff shoulder」が「肩のこり」となると思いがちですが、shoulderは肩関節のことを指しますので、肩こりではなく四十肩や五十肩などの肩関節周囲炎を指す言葉なのだそうです。
英語ではどこがこっているのかを明確にしますが、日本人はこってることを主張するのかもしれません。
首の頭に近い方(耳の後ろあたり)に痛みがあっても肩こりといいますし、肩甲骨の下の方にこわばりを感じても肩こったな・・・と思いますよね。
私は日本人なので、それが肩こりでしょ!と思っています。
思っていますが、同じ肩こりでも部位によって解消方法や予防方法も違うのではないかとも考えています。
このページに書いてある体操などは、私の肩こりに効いたものであって万人に効くものではないでしょう。
「効かないじゃん!」と思ったら違う方法も試してみてください。
自分の肩こりの部位に合う体操なりグッズなりを見つけることが肩こり解消の決め手かもしれません。
肩こりがひどい!つらい症状は?
肩こりの症状はとても幅広く、肩・首・背中だけにとどまりません。
どんな症状があるか、みていきましょう。
- こり:こっている部位がカチカチに固くなってしまっている
- 張り:パツンパツンに張っている
- こわばり:肩や腕などを動かしにくい
- 痛み:寝ても覚めても痛くてしかたがない
- しびれ:腕などにビリビリ、チリチリ、ジワジワというようなしびれを感じる
- 不快な感じ:痛いというほどではないがイヤ~な感覚がある
- 違和感:しっくりこないような、自分のものでないような気持ち悪さ
- だるさ:肩周辺に、ひどくなると全身だるくなる
- 重い感じ:肩周辺が重苦しく感じる
- 頭痛:肩がこりすぎて頭が痛くなってくる
- 吐き気・嘔吐:肩がこりすぎて気持ち悪くなったり、吐いてしまったりする
- めまい・耳鳴り:肩がこりすぎてめまいや耳鳴りがする
などなど。
「左の肩だけがずっと痛い」とか「背中だけど肩甲骨よりも下が痛い」というときは、心臓の異常だったり、肝臓や胃などの内臓疾患の可能性もゼロではありません。
肩こりとは違う病気から来ているのでは?と不安になった場合は、病院でみてもらいましょう。
このページでは純粋に肩こりだけという前提で書いています。
原因
血流が悪くなって、筋肉が緊張して固くなると肩こりとなり、さまざまな症状が出てくるということがわかりました。
では、血流が悪くなる原因とはいったい何でしょう?
様々な症状があるのと同じように、原因もさまざまです。
その人によって、その部位によって原因は違いますが、いくつか書き出してみます。
長時間同じ体勢
パソコンでの仕事などで長時間同じ姿勢をしていたり、長時間車の運転をするなど、ずっと同じ姿勢でいると肩がこりやすいです。
特にパソコン、スマホなどをみるときに頭が肩より前に出ていると肩こりになりやすいといわれています。
今あなたの姿勢はどうですか?
顎が前に出て、猫背になっていませんか?
頬杖をついていませんか?
頭が肩よりも前に出ているということは、体重50Kgだとすると、前に転がり落ちそうな5kgの頭を首と肩で必死に支えていることになるのです。
頬杖をついて支えているつもりでも同じことなのだそうですよ。
頭の重さってどのくらいかを知りたかったら、スーパーに行って5kgのお米を持ち上げてみましょう。
または砂糖5袋・・・
重いですよね。
つまり首と肩に負荷がめちゃくちゃかかっていることになります。
生活習慣
長時間同じ体勢をしていなくても、机や椅子の形状、キッチンの高さ、枕や布団の形状など意識しないところで首や肩に負荷がかかっているかもしれません。
朝起きたときに、よく寝たはずなのに肩がこっていると感じる方には枕を変えることをおすすめします。
睡眠時間が8時間の方なら、肩と首を7時間その枕に依存していることになりますから、枕ってとても大事なのですよ!
体型
体型が原因で肩こりになるのは、ストレートネックと似たようなことが起こっている場合があります。
ストレートネックは本来の前にゆるやかにカーブしているべき首の骨がまっすぐになってしまっていることをいいます。
つまり、体型が原因で肩こりになっている方は、背骨が本来のカーブを形作っていないということです。
特にお腹周りに肉が付いている、いわゆるメタボ体型では背骨のなかでも腰のあたりの前カーブがさらにきつくなってしまったり、骨盤が前に傾いてしまったりします。
お腹が前に出た分だけその上の背中から肩を後ろへ引いてバランスを取ろうとしますよね。
さらにそのままだと頭が後ろへいってしまうので、頭を起こそうとして首や顎が前に出てきます。
ちょっと重ためのリュックサックをお腹側にかけた状態を想像してみるとわかりやすいのではないでしょうか。
で、この体勢、どこかで見たことありませんか?
そう、妊婦さんです。
妊婦さんも同じメカニズムで肩こりになりやすいことがわかります。
ちなみに、お腹だけでなく全体的にふくよかで筋肉の少ない人は、腕や肩の重みから肩こりになりやすいです。
老化
女性は男性に比べて筋力が弱いですから、筋肉で正しい体勢を維持することが難しくなってきてしまうのは仕方ありません。
また、年齢を重ねてくると筋力はどうしても落ちてきてしまいます。
だからといってあきらめることはありません!
正しい姿勢をしているだけでその姿勢に必要な筋力がつくといわれていますから、日常的に意識して正しい姿勢を保ちましょう。
今からでも遅くありません。
正しい姿勢を体に染み込ませるようにするとよいでしょう。
正しい姿勢とは?
座位での正しい姿勢は「正しい姿勢でとりあえず10秒座る!」をご覧ください。
では、立っているときの正しい姿勢とは?
立ったときの正しい姿勢を知るには壁に背をつけて立ちます。
そして、かかとを壁につけ、ふくらはぎをつけ、お尻をつけ、肩甲骨をつけ、後頭部をつけます。
このとき、背中に手を差し込んでゆとりがあるくらいがよいでしょう。
片手を差し込んで少しゆとりがあるくらいが本来の腰のカーブですので、もし、両手を同時に差し込んでも隙間があるようなら、少し前へのカーブがきつすぎます。
首や肩が疲れてくるとあごが前に出てしまいがちですが、あごを前に出さないように気をつけましょう。
ご自分の正しい姿勢を時々確認してみるとよいですね。
ストレス
ストレスが多いといわれる現代の日本。
ストレスをなくすなどということは無理ですから、ストレスと上手くつきあっていくことが必要ですよね。
肩こりの原因は血流が悪いことで起こりますが、ストレスを感じると血流が悪くなります。
つまり肩こりの原因を増幅させてしまうことになるのです。
ストレスを感じると交感神経優位になります。
交感神経は、副交感神経とともに自律神経といわれています。
自律神経は心臓などの内臓を動かすための神経で、私たちの無意識下で身体の機能を動かしてくれていて、たとえ寝ていても心臓が動き、呼吸していられるのも自律神経のおかげなのです。
その自律神経は、まったりしていると副交感神経が優位に働きますが、獲物を追ったり危険が迫ったりすると交感神経が優位になります。
獲物を追ったり危険が迫るということは、攻撃したり逃走したりというときです。
昔は狩猟で必要になっていましたが、現代の日常ではストレスがかかるとこの状態になってしまいます。
この闘争・逃走状態のとき、火事場の馬鹿力を出せるようにと筋肉に血液をめいっぱい供給しようとします。
そのため心臓はバクバクとものすごい勢いで血液を送り出します。
心臓はめいっぱい働きますが、血液がいかなければならない筋肉は力を入れているために血管が圧迫されて血液が通りづらくなっています。
また、酸素をたくさん取り込まなければならないため、呼吸も速く浅くなります。
戦うか逃げるかというときに胃や小腸で食べ物を消化している余裕はないので、そちらにも血液はあまりいかなくなります。
このような交感神経優位な状態が長時間続くと、筋肉は緊張しすぎて固くなり血流も悪くなりますから、肩こりの原因になってしまうのです。
では、ストレスと上手くつきあっていくのはどうすればよいのでしょう?
副交感神経が優位になるように体を導いてあげれば、交感神経優位で疲れた体を休ませてあげることができます。
身体がリラックスする時間をつくりましょう。
適度な運動やストレッチ、上に書いた1分間体操などで体をほぐしてあげたり、あまり熱すぎない40度くらいの湯船に浸かることもよいでしょう。
また、睡眠の質が悪いと疲れた体をしっかり休ませることができません。
ですから睡眠の質を高めることも大事になってきます。
もし朝起きたときにぐっすり眠れた感じがなかったり、肩や首が痛くなっていたら、枕を見直しましょう。
それだけでも睡眠の質を高め、ストレスと上手くつきあうことができるようになりますよ。
運動不足
肩こりの原因は血流が悪いからです。
血液の流れ、特に心臓へ戻るときの血液は、筋肉が動くことで押し戻されるようにイメージするとよいでしょう。
体を動かさないと心臓への戻り方が弱くなり、血液が停滞してしまいます。
体を動かさないということは、筋肉の一定の部分に力が入っているということでもあります。
起きているときはどこかに力が入っていて、全身脱力できることはそうありませんよね。
パソコンの前に同じ姿勢で座っている時間が長い場合など、力が入っている筋肉の部分が変わらないため筋肉の緊張がひどくなって疲れやすくなります。
血液の流れが悪くなり、筋肉も固くなってしまうのです。
そうなると全身の血の巡りが悪くなり、肩こりだけでなく冷えや新陳代謝が悪くなることもありえます。
運動不足で肩こりになっている場合の運動は、筋力をつけるよりも筋肉を動かすことを目的とします。
ですから軽い運動やお散歩、ストレッチなどが最適です。
体を動かすことが日常的になってくれば、筋力の低下も防ぐことが期待できます。
毎日、ほんの少しずつでも体を動かしましょう。
ストレートネック、頸椎症、頸椎ヘルニア
純粋な肩こりというよりも神経からの影響で痛みがあるものもあります。
適度な運動や生活習慣を変えても肩こりがよくならなかったときは、ストレートネック、頸椎症、頸椎ヘルニアなどの状態にあるかもしれません。
症状がレントゲンなどではっきりわかるものは診断がつきますが、初期や症状が軽い場合は病院でも診断を下さないことがあるそうです。
それでも、まったくよくならない肩こりは一度お医者さんにみてもらうことをおすすめします。
ストレートネック
ストレートネックはスマホ世代は仕方ないことかもしれません。
電車でスマホをいじっている方をみると、ほとんどの方の首が前へ出ています。
この姿勢をしていると本来自然な前弯のカーブを描いているべき首の骨が、I字のようにまっすぐになっていってしまいます。
スマホを見ているからストレートネックになるというわけではなく、本を読んでいる姿勢やパソコンに向かっているときの姿勢、重いリュックサックを重心を下げたまま背負っていたりすることも原因になります。
首が真っ直ぐになって何がいけないんだ?と思いますよね。
人間の背骨は首(7個)、胸(12個)、腰(5個)の骨が連なっていて、その下にいわゆる骨盤が繋がっています。
さらに骨盤の下の方に尾骨という尻尾のなごりともいわれる骨がついています。
骨盤はいくつかの骨が組み合わさってできていますが、腰の骨に繋がっている部分を仙椎といい、生まれたときは5個だったものが34歳くらいでガチッとひとつの骨のように頑丈になるのです。
背骨の一つ一つの間にクッション材のような役割をしている椎間板といわれるものがはさまっていて、動いたときの衝撃をやわらげるのですが、それだけではありません。
背骨はまっすぐではなく、お尻で後ろに、腰で前に、胸で後ろに、首で前に、と、ゆるやかにカーブを描いていて、そのカーブのおかげで歩いたり動いたりしたときに発生する足からの衝撃を少なくしているのです。
これは脳に衝撃を与えないようにするためです。
能は衝撃に弱いというのは、赤ちゃんでは揺さぶられっ子症候群や乳幼児揺さぶられ症候群などといって、乳幼児を揺さぶってしまうことで脳に重篤な症状が起こってしまったり、ボクシング選手が顔面にパンチを受け過ぎると脳の機能に障害が出てしまったりすることでもわかります。
さて、ストレートネックになってしまうと、脳に衝撃が加わることになってしまいますから、これはぜひ治したいですね。
バスタオルを丸めて枕代わりに首の下に入れて眠るのも良いといわれますが、実際やってみると高さ調節が難しいです。
ちょっと高いと朝起きたときに首も頭も痛くなっています。
というか、私の場合、痛くて眠れませんでした。
そしてバスタオルの枕では寝返りが上手くできないかもしれません。
バスタオル枕では寝られない場合、高反発枕がよいそうですよ。
ただし、ストレートネックを疑うときは、一度病院でみてもらうことをおすすめします。
血流アップで肩こり解消!
肩こりを緩和させるためには、血流をよくすることが必要です。
血流がよくなると
- 肩こり解消
- 睡眠不足を解消
- 美しさアップ
- お肌も体も修復
が期待できます。
睡眠不足を解消するのは、血流をよくすることで手足から熱を逃がし、身体内部や脳の温度を下げることができるからです。
それにより、睡眠に入りやすくなり、睡眠の質もよくなります。
寝ている間の血流がよくなると、成長ホルモンがしっかり出るようになります。
成長ホルモンがよく出ることで、寝ている間に体の修復ができ、疲労回復にもつながりますから、お肌の状態をよく保つことができるのです。
血流をよくすることで、肩こりだけでなくお肌にもよい影響があるのですから、血流アップをして損はありません。
血流をアップするためには運動が一番でしょう。
お散歩・ウォーキングは血流アップに最適です。
しかし、運動が苦手だったり、運動する時間が取れなかったりする方もいらっしゃるはずです。
そんな方におすすめしたいのがお灸です。
運動は体の内側からあたためますが、お灸は外側からあたためていきます。
せんねん灸などご自分でできるお灸もありますよ。
ただし炎症がある場合は熱を加えるとひどくなってしまうかもしれませんから、鍼灸院でみてもらってからが安心です。
くれぐれも火傷と火事にご注意くださいね。