先日、野村沙知代さんがご自宅で意識をなくし救急搬送されましたが、病院で亡くなったと報道がありました。
死因は虚血性心不全。
心臓に血液が行かなくなり、心臓が動かなくなってしまうことをいいます。
いわゆる突然死、急死といわれる死因です。
野村沙知代さんは救急搬送されて病院で亡くなりましたが、突然死の場合、自宅で亡くなる可能性も多いでしょう。
もし自宅で家族が亡くなったら、いったいどうすればよいのでしょう?
そして、絶対にしてはいけないことは何でしょうか?
ピンピンコロリを望むことが多い私たちですが、家族のピンピンコロリに備える心の準備はしておきましょう。
絶対にしてはいけないこと
ご遺体を動かしてはいけません!
これだけは絶対にしてはいけません。
なぜかというと、ご遺体を動かしてしまうと警察から証拠隠滅したのではないかと疑われてしまうからです。
殺人の可能性、容疑者としての取り調べを受けることになりかねません。
ですから、たとえお風呂場で全裸でお亡くなりになっていたとしても、死亡が明白な場合はご遺体に触らないようにしましょう。
「寒そう」「かわいそう」「服を着せてあげたい」「せめて毛布を」
と思っても、心を鬼にして対処するようがんばりましょう。
家族が突然死!どうしたらいい?
現代の日本では病院で亡くなる方が約8割。
しかし、最期のときを自宅で過ごしたいと考える方も増えてきました。
また、たとえ高齢でなくても突然死は誰にでもやってくる可能性があります。
病気だけでなく、不慮の事故で自宅で亡くなることだってないわけではありません。
ほとんどの方が初めてそんな場面に出会うことと思います。
私なら動揺して焦っているときに適切な判断が下せるとは到底思えません。
であるなら、知識だけでも頭の片隅に入れておきたいもの。
対処の方法は3つあります。
かかりつけ医がいる場合
自宅で最期を迎えたいと在宅療養を選んでいる方や、持病があり通院している方などはかかりつけ医や主治医がいますから、その医師に連絡しましょう。
死因が治療していた病気に関連すると判断されれば、死亡診断書を書いてくれます。
家族が高齢ではない場合など、日頃から家族間で通院の有無を話し合っておくとよいでしょう。
コミュニケーションを密にとることが大事です。
かかりつけ医がいなければ救急車
病気なんてしたことない、風邪くらいしか医者にはかからない、病院大嫌い、などという方には当然かかりつけ医はいません。
突然死、急死といわれる場合です。
野村沙知代さんのように、目の前で意識を失ったり、亡くなっていることがわかっていても時間があまり経っていないなどの場合は救急車を呼びましょう。
死亡が明白であるように思えても仮死状態かもしれません。
仮死状態とは生きているということですし、救急搬送して助かることもあります。
目の前で意識を失った場合などは、救急車を呼んでからもその方に向かって声掛けをしましょう。
脳の病気の可能性もあるので、頭をぐらぐら揺らすことはせずに名前などを呼びかけるとよいでしょう。
手を握る、手を叩くなどして意識を回復させる努力も大事です。
ということで、かかりつけ医がいない場合の突然死はすぐに救急車を呼びましょう。
死亡後、時間が経っている場合
突然死ではなく、亡くなって数日以上経っている場合は警察に連絡します。
第一発見者は警察に事情聴取されることになると思いますが、死因特定に協力しましょう。
明日は我が身
野村沙知代さんの突然死は他人事ではありません。
明日は我が身です。
そして、家族を突然亡くしてしまうこともいつ起きるとも限らないのです。
家族のピンピンコロリに焦ったとき、頭の片隅からこの知識を出せたらよいと思い、書いてみました。
もうひとつ、付け加えておきたいことがあります。
家族がピンピンコロリとなってしまったら、たとえお別れの時間が少なかったとしても、苦しまなくてよかったと思うとよいでしょう。
もし、ピンピンコロリではなく病気や寝たきりになってしまったら、お別れの覚悟をする時間をもらえたと思うとよいでしょう。
大切な人とのお別れはつらいものですが、考え方ひとつでその方との思い出が変わります。