日本人全体、つまり老若男女ひっくるめての死因第1位から第3位くらいなら誰でもなんとなく知っているかもしれません。
でも年齢別にみた死因って見かけませんよね。
静岡県職員(知事部局)の自殺者が全国平均の2倍という報道をみてびっくりした方も多いのではないでしょうか。
2倍って!
自殺者数は?原因は?など書いていきます。
日本人の死因についても調べてみました。
全国平均の2倍
2009年度~2016年度の8年間で、静岡県知事部局の県職員の自殺者数が17人だったことがわかりました。
そのうち2人が公務災害に認定されているそうです。
最近の3年間の人数をみてみると、
- 2014年度:5人
- 2015年度:2人
- 2016年度:2人
- 2017年度(11月末時点):2人
職員数は6千人弱ということです。
2015年度の県職員千人当たりの自殺死亡率の統計があり、
- 都道府県(政令指定都市職員)平均:0・18
- 静岡県:0・34
ということで、千人当たりの自殺死亡率が全国平均の2倍!
それ以外の県職員自殺者
静岡県の教育委員会や県警本部などでも同じ時期、つまり8年間でということだと思いますが、計24人が自殺しているということです。
こちらは職員数や自殺死亡率の数字が出ていませんが、決して少なくない人数ではないでしょうか。
気付けるもの?
12月18日に会見をした静岡県の藤原学 県職員局長は、
「亡くなった方の苦しい心の叫びを聞くこと、気づくことができなかった責任を感じる」
と話しています。
苦しいと表していたのか、それとも苦しさを表すこともできなかったのかはわかりませんが、周りが気付くくらいなら相当あぶないのでは?
原因は何?
8年間で公務災害に認定されたのは2人です。
この2人の自殺の原因には「職責の重さ」や「多忙」が含まれるのではないかとみられているようです。
自殺は引き金こそあれど、ひとつの原因だけでなく複雑な要素が絡み合っているものだと思います。
それでもやはり、「これがなければ持ちこたえられたかもしれない」という要因はあるのではないでしょうか。
ストレス調査
静岡県は昨年度からストレス調査を導入しているそうです。
ストレス度が高い職員には受診やカウンセリングを勧めているとのこと。
どんな調査なのか気になりますね。
ストレスがあると判断されてリストラ対象にならないとよいのですが。
日本人の死因第7位
10年ほど前までは日本人の三大死因は、悪性新生物・心疾患・脳血管疾患でした。
しかし最近は肺炎が3位にまでなってきています。
これは高齢化による誤嚥性肺炎と関係がありそうですが、それについては「食後にむせる・咳き込む?誤嚥予防にのどのトレーニングを!」をお読みください。
では、2012年の日本人の死因をみてみましょう。
- 1位:悪性新生物
- 2位:心疾患
- 3位:肺炎
- 4位:脳血管疾患
- 5位:老衰
- 6位:不慮の事故
- 7位:自殺
- 8位:腎不全
- 9位:慢性閉塞性肺疾患
- 10位:肝疾患
2015年の厚生労働省の統計では腎不全が死因7位になり、自殺は8位に下がっています。
腎不全で亡くなる方が増えた一方で自殺者数、特に男性の自殺者数が減少したことによります。
腎不全は、糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病からも発症し、高齢者に多くみられますから、5位の老衰や3位の肺炎とともに高齢者の増加からの数字でしょう。
女性の自殺者数は年ごとにみても横ばいです。
男性は2009年に23,472人でしたが、その後は毎年減少していきます。
そして、2014年には17,386人と5年前から比べたら大幅に減っています。
とはいっても、1997年に16,416だった男性自殺者数が翌1998年には23,013人に急激な増加となっていて、そこから人数が減らずにいたものが5年かけて以前の自殺者数に戻ってきたとも考えられます。
これは自殺率ではなく自殺者数なので、ベビーブームなどによる人口とも関係してくることではあると思いますが。
それと、世の中が平和だと自殺者数が増えるといわれていますから、日本はだんだん自殺している場合ではなくなってきたという考え方もできます。
15歳から39歳の死因第1位
日本全体でみると自殺は死因の第7位(2012年)ですが、年齢別にみてみるとちょっと驚きます。
15歳から39歳までの死因順位で自殺が第1位なのです。
ちなみに10~14歳までと、40歳~49歳までは第3位。
先天的な病気でなければ高齢者ほど病気にならないからだとは思いますが、それでも1位とは・・・
何をどう気付く?
12月18日の会見で川勝知事は、
「全国平均の2倍と聞いて驚いた。相談しやすい職場の空気を作っていきたい」
といっています。
以前と比べて疲れた顔をしていることが多かったり、あまり食べていないようだったり、なかなか仕事が進まないような状態だったら周りから声かけができるような職場になるとよいですね。
そのためには日頃から仕事以外の話もできるような職場内の環境が必要なのでは?
そしてそういう環境であれば仕事関係での自殺を考えることにはならないような気もしますが、どうでしょう。