テレ朝の「グッドモーニング」での「林先生のことば検定」が興味深かったので取り上げてみました。
4(じ)6(む)の日
4月6日は4(じ)6(む)で事務の日。
会社を支える事務職を労うのが目的で制定されました。
営業などに比べると地味な事務職ですが、その事務職がいなければ会社が成り立たない、まさに「縁の下の力持ち」という仕事ですね。
ということで、
「縁の下の力持ち」とは何に由来することば?
青 「舞」
赤 「宮大工」
緑 「応援したけどダメ」
緑の「応援したけどダメ」は、「えんのしたの力もち」ではなく「えんごしたのに力つき(援護したのに力尽き)」
ボキャブラ天国世代の林先生は「いいなぁ」と思ってしまうほどのゴロの良さ。
だがもちろん不正解。
「縁の下の力持ち」とは?
縁側を下から支える柱のように人知れず支えとなる存在のことです。
しかし、「縁の下」の「縁」は後に当てられた言葉。
もともとは「椽」と書いていたらしいです。
「椽」の訓読みは「たるき」で、垂木とも書きます。
「たるき」とは屋根を支えるため、屋根の一番上にある棟木から軒先に当たる軒桁(のきげた)まで渡す材木のこと。
つまり本来「椽の下」とは「軒下、軒先」のことを言うようです。
現在も大阪の四天王寺で行われている経供養(きょうくよう)という法要に由来しているということです。
この法要は、中国から経典が伝わったことを記念して行われるもので、毎年太子殿(たいしでん)の西庭、つまり太子殿の軒先で舞楽(ぶがく)が奉納されているそうです。
そして、この舞はかつては完全非公開で秘かに行われていたのだそう。
人知れず重要な儀式を行う⇒陰で努力すること=「椽の下の舞」ということなのですね。
のちに「椽」が「縁」に変わったことで、慣用句の意味に合わせて「舞」から「力持ち」に変わったらしいですよ。
人知れず支えとなる存在と陰で努力することって似ているようで違うと思うのですが、どうなんでしょう。
「縁の下の力持ち」っていいことばだと思いますが、「椽の下の舞」も今もあればよかったのにね。
ということで正解は青の「舞」。
陰徳あれば陽報あり
陰で努力することをいう故事を探してみました。
「陰徳あれば陽報あり」
「陰徳有る者は、必ず陽報有り。 陰行有る者は、必ず昭名有り(人知れず徳を積む者には必ず誰の目にも明らかなよい報いがあり、隠れて善行をしている者には必ずはっきりとした名誉があるものだ)」『淮南子・人間訓』
故事ことわざ辞典
素晴らしいことわざですね。
人知れず徳を積んでいるとよい報いが必ずあるはず。
どうすれば徳を積むことができるのかというと、よいことをすればいいのです。
人が見ていないところでもよいことをする。
「陰徳を積むゼ!」って思わなくても自然にできるようになったら、それが本当の陰徳なのだと私は思います。