いまや「可愛い」は日本語以外でも「kawaii」というくらい有名な言葉です。
しかし、「かわいい」という言葉の由来は実は正反対の意味だったのですって!
「かわいい」は古くは「かはゆし」という言葉でした。
さらに語源を辿ると「顔映ゆし(かほはゆし)」と言っていました。
「かほはゆし」→「かははゆし」→「かはゆし」→「かわいい」となったのですね。
「顔映ゆし(かほはゆし)」の「映ゆし」に目をつけると「目映し(まばゆし)」となり、「まぶしくて目を開けていられない」という意味になります。
同じように「顔映ゆし(かほはゆし)」も「顔を向けていられない」つまり「気の毒で見ていられない」という意味なのです。
それがなぜ正反対の「愛らしい」という意味になったのか、よくわかっていません。
ただ、「気の毒で見ていられない」という意味から「気の毒だから助けてあげたい」という意味に転じ、そこから「愛らしい」に転じたのではないかと推測されています。
日本語だけでなく、どんな言語も時間が経つと意味が変わってくるものですが、それにしても正反対の意味になるとは驚きですね。
いつの頃からか「すごい」などの肯定的な意味合いで「ヤバイ」が使われ出したのと同じような事なのかもしれません。
しかし、「顔映ゆし」は本当に「気の毒で見ていられない」という意味なのでしょうか?
そうなのだとは思いますが、少し穿った見方をしてしまう私もいます。
「顔を向けていられない」というのは、「気の毒で見ていられない」という以外にも「美しすぎて直視できない」とかいうような意味での「顔を向けていられない」かもしれないじゃないですか。
どうなんでしょ?
ということで、wikiを見てみると
「かほはゆし」「かはゆし」は元来、「相手がまばゆいほどに(地位などで)優れていて、顔向けしにくい」という感覚で「気恥ずかしい」の意であり、それが転じて、「かはゆし」の「正視しにくいが放置しておけない」の感覚
だそうです。
もともと「直視できないほど地位の高い人」「気恥ずかしい」というような意味合いだったのですね。
さらにその意味するところが変わっていきます。
「いたわしい」「気の毒だ」の意に転じ、不憫な相手を気遣っていたわる感覚から、さらに「かはゆし」(「かわゆい」「かわいい」)は、現代日本語で一般的な「愛らしい」の意に転じた Wikipedia
「かわいい」「可愛い」は幼いものや小さいものに対して使う言葉であって、年上に対して使うべきではないとされているようですが、「かおはゆし」のころの使い方はむしろ年上ですよね、「直視できないほど地位の高い人」というのだから。
どの時代の意味を反映するかによって全く違うことを言うことになってしまうという、言語の恐ろしさを知りました。
なにも考えずに現代の「かわいい」を「かわいい」と思っていればきっと間違いないハズ!