テレ朝の「グッドモーニング」での「林先生のことば検定」が興味深かったので取り上げてみました。
「にべもない」についてはこちら。
ニベという魚に由来する言葉「にべもない」林先生のことば検定
水産デー
4月13日は「水産デー」です。
明治34年(1901年)の今日、初めて漁業法が制定されたことを記念したものです。
日本の漁業は室町時代末期から盛んになったと言われています。
そして江戸時代には様々な魚が食べられていました。
東京湾がきれいでしたから、アナゴやシラウオ、エビやイカ、クロダイなども揚がったようです。
どれも鮨ネタとして美味しいものばかりですよね。
そこで問題です
このなかで、魚に由来する言葉はどれでしょうか?
青 ひれ伏す
赤 とどのつまり
緑 内田裕也
今日の緑、内田裕也さん(77)といえば、さかな(魚)ではなく、シェケナ(shake it up baby)ですよね。
これはThe Beatlesの「Twist&Shout」という曲の歌詞ですが、内田さんが過去にこの曲をカバーしたことから、内田さんの代名詞になっているようです。
出世魚「ボラ」
さて、今日の問題になっている魚ですが、「ボラ」です。
ボラは日本各地で獲れるので古くから日本人が食べてきた魚です。
ボラの卵巣を塩漬けにし乾燥させたカラスミは、お酒のつまみとしては最高級のものと言われていますよね。
そして、このボラはブリなどと同じく成長するに従って名前が変わる出世魚なのです。
地域によっていろいろ呼び名はありますが、関東を例にあげるとこうです。
オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→?
この中で「イナ」は以前にことば検定で出たことがあります。
「イナ」が元になってできた言葉を覚えていますか?
「鯔背(いなせ)」ですよね。
鯔背(いなせ)とは江戸時代の魚河岸で流行った髪型が「イナ」の背に似ていることから「鯔背銀杏」と呼ばれ、そこから魚河岸の若者のような勇み肌、任俠(にんきょう)気風の若者のことを言うようになったようです。
「オボコ」と「うぶ」
また、「オボコ」は世間慣れしていないことや若い娘のことを言います。
「おぼこい」というと、幼稚とか未熟な様子を言うのですが、西日本の方言なのだそう。
大阪弁で言う「おぼこい」の「おぼこ」は、「うぶこ(産子)」が転じたものですが、「うぶこ」とはそのままの意味で「産まれたばかりの赤ん坊」という意味です。
「うぶな」とも表現しますよね(会話で使ってるのはほとんど聞いたことないけど)
「うぶ」も「おぼこ」も「世間ずれしていない、初々しい」ことを意味します。
正解は?
今日の問題は、オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→?
この最後をどう呼ぶか、ということです。
ボラ→トド
ということで正解は赤 とどのつまりです。
トドは、これ以上成長しないことから「とどのつまり」という言葉が出来たとされています。
念のために書きますが、「トド」といっても哺乳類のトドではありませんのでお間違いなく。
成長しても魚は魚です。
それにしても、「おぼこ」と「トド」では同じ魚を指している言葉だとしても、全く違うように感じてしまいます。
「にべもない」も魚に由来することばだって知っていますか?
ニベという魚に由来する言葉「にべもない」林先生のことば検定