「戒める」の由来は?ことば検定の問題から武家諸法度を調べたら

8月30日は、1615年(元和元年7月7日) に 江戸幕府が武家諸法度を発布した日です。
大阪夏の陣から約2か月後、徳川家康が徳川秀忠の命という形で諸大名統制のための全13ヶ条の法令を発布しました。

内容は「文武を嗜め」とか「倹約しろ」とか「お城を補修するときは届出を出せ」とかそんな感じ。
つまり、大名への「戒め」でした。

ということで、この日の問題は「戒めるという言葉の由来は何か?」。

ところで武家諸法度ってどんなのだっけ?とそのあたりも少し調べてみました。

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問題 「戒める」の言葉の由来は?

この日の問題は、 江戸幕府が武家諸法度を発布した日にちなんで出されました。

問題

「戒める」の言葉の由来は?

選択肢は

 青  遠ざける

 赤  引き締める

 緑  戸締りした?

緑のボケ

のボケは「いましめる」ではなく、

「今 閉める」

いやぁ、音はバッチリなのですが、バッチリすぎてあまり面白さが感じられなかったですね。
やっぱり少しズレてるくらいが笑えるのでしょうか。

答えは?

正解は 青 の「遠ざける」でした。

足を鎖で繋がれる画像

「戒める」とは

戒めるとは、

  • 「自らを戒める」というように「警戒する、禁じる」といった意味
  • 他者の過ちに対して「教え諭す、注意する」などの意味

このように、幅広く使える言葉なのです。

日本書記にも書かれていた「戒める」

「戒める」の言葉の歴史は古く、日本書記にも登場します。

自ら新羅に攻め込もうとした雄略天皇(5世紀)が神にお伺いを立てたところ、「神、天皇に戒めて曰(のたまは)く」攻めるのをやめるようお告げがあったと記されています。

もともと「忌み遠ざける」という意味

戒めるの文語は「戒む」。
これは「いむ + しむ」からできた言葉です。
「しむ」は「~させる」という助動詞です。

ポイントは「いむ」のほう。「いむ」は漢字で書くと「忌む」。
つまり「戒む」とはもともと「忌み遠ざける」という意味なのです。

そこから、不都合なことを起こさないようにそれを避けるよう「注意する、慎ませる」という意味へと広がったようです。

ということで正解は青の遠ざけるでした。

「戒める」「諫める」似てるけど

「戒める」に似た言葉に「諫(いさ)める」があります。
「諫める」は「上司を諫める」のように主に目上に対して使う言葉ですから間違えないようにしたいですね。

夕焼けに染まるお城の画像

武家諸法度って?

徳川家康が徳川秀忠の命という形で諸大名統制のために発布した全13ヶ条の法令のことです。
言ってみれば、大名が権力を持たないようにするために考えられた制度。

城の修理は許可制

城を新しく作ることを禁止したり、城を修理するにも幕府の許可が必要になります。
城を整備することは戦争をしようとしてると捉えられるのですね。

勝手に結婚しちゃダメ

大名家同士で勝手に結婚することも禁止されました。

江戸時代などでは政略結婚が普通にあったわけですが、大名家同士が結婚するということは幕府の知らないところで大名たちが同盟を組んで力をつけてしまうということ。
大名たちの結束を恐れたのでしょう。
いくら幕府といえども、大名が結束して反旗を翻したら太刀打ちできませんから。

参勤交代

1635年(寛永12年)に3代将軍の徳川家光が武家諸法度を改正します。
条文が19条に。
そして、あの有名な「参勤交代」が義務付けられました。

改正されまくる

1663年、1683年、1710年、1717年と武家諸法度は改正されまくりました。
時代によって禁止事項が増えたり、統合されたり。

まとめ

「戒める」の言葉の由来は、「遠ざける」でした。

「戒める」は「忌む + しむ」という文語からできていて、「忌み遠ざける」という意味。
そこから、不都合なことを起こさないようにそれを避けるよう「注意する、慎ませる」という意味へと広がったのですね。

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